訴訟費用と遺産分割協議

この訴訟に関して支払った費用はどのように扱われると思われますか?
相続税の計算上、その費用を債務として計上し相続税を少なくすることが出来るのか。またはその相続により取得した資産の取得費に加えることは出来るのか。
 

相続が発生した場合、まずは亡くなられた方の財産がどれだけあったのかを確認します。
次に、その財産が現在の価値に換算してどのくらいの価値があるのかを決定します。
こうして、相続財産を確定させてから相続人の方でどのように財産を分割するのかを決めるために話し合いをして頂きます。ここでの話し合いで決まった事を後でもめないように「遺産分割協議書」という名目で記録します。

一昔前であれば、長男が財産を相続して「はいお終い」、というケースが多かったのですが、残念ながら最近はそのようにスムーズに遺産分割が完了することが少なくなりました。
たとえば、亡くなられた方を生前世話していたのは私なのだから多く遺産をもらうのは当然だという主張があったり、家族と長年連絡を絶ち、遺産分割の話し合いに参加することを拒否している相続人がいる、といったパターンがあります。

このように相続人同士の遺産分割協議に決着がつかない場合は、家庭裁判所に申し立てを行い、弁護士等の第三者に入ってもらい遺産分割を決定することになります。この場合、決定までに約3~4ヶ月は時間がかかります。当然、裁判を起こすのですから印紙税や切手代、弁護士報酬等の訴訟費用が発生することになります。

この訴訟に関して支払った費用はどのように扱われると思われますか?
相続税の計算上、その費用を債務として計上し相続税を少なくすることが出来るのか。またはその相続により取得した資産の取得費に加えることは出来るのか。
結論から先に述べますと、相続税の計算上一切考慮することは出来ないのです。相続税の計算上債務として計上し相続税を安くすることが出来るものは、その相続が開始した時点で既に確定しているものに限られます。つまり訴訟費用は相続開始後に発生した債務ですので相続税を安くするための債務としては計上出来ません。また、訴訟費用はその資産の所有権を確保するための費用としても認められないため、資産の取得費としても該当しません。

したがって、遺産分割協議で揉めた場合、訴訟を起こしても何もいいことはないということです。ですが現実には相続でもめることは多いのです。家族の仲もいいし相続で揉めることはないわ、うちには財産なんてないからそもそも相続なんて関係ないし、子供はいないから相続人は私1人よ、そう思われているあなた本当にそうですか?
子供の中に実は父親と隠れてけんかしている子供はいませんか?宝くじがあたって家族にだまっている預貯金はありませんか?
相続で揉めるケースは突然相続が発生した場合がそのほとんどです。いきなり財産の話をしなければいけないのですからしょうがないとは思います。そこで相続を争続としない1番の方法は事前に話し合っておくこと、これが1番だと思います。亡くなられる前に1度家族間でお互いの意見を交わし、意見を整理しておくだけで相続はスムーズに完了します。
また、相続前でないと節税対策が出来ない場合も多くあります。
そうは言ってもなかなか家族間で財産の話をすることは難しいと思われるかもしれません。当事務所で相続税の事前対策をされた方々も最初はそのように言われていました。ですが話し合うと心の中で思っていたことを言葉に出来ますし、将来の不安が解消されるため、みなさんほんとにスッキリとした顔でお帰りになります。まずは気軽にご相談ください。相続を争続としないためにも

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